current 〜介護のリアルが見えてくる〜
全国1000人アンケート調査実施

第3回 介護 × テクノロジーに期待すること

介護の今 2024.10.09更新

テクノロジーを取り入れた介護は
どう受け入れられるのか

2024年7月29日・30日、SOMPOケアは全国の30代〜60代の男女各500人、合計1000人を対象に「“未来の介護”に関する調査」を実施。その結果と分析をご紹介するシリーズ、第3回目となる今回は、実施された調査のうち、「介護とテクノロジー」をテーマにしたQ.6〜Q.10をクローズアップ。

深刻な介護人材不足の解決、介護を受けるご本人、支えるご家族や現場の負担軽減などを目指してSOMPOケアでも積極的に取り組んでいるデータやテクノロジー、さまざまな機器の活用に対するイメージや期待感について探っていきます。

SOMPOケアが目指す未来の介護

SOMPOケアが取り組んでいる介護現場での
テクノロジー活用の取組みをご紹介しています。

INDEX

  • ・まだまだ認知されていない介護現場へのテクノロジー導入

  • ・テクノロジーによる介護の進歩 最も期待が寄せられたのは「排泄」

  • ・テクノロジーは介護に必要か?8割近くが肯定的な反応を示す

  • ・介護の未来はどうなる?テクノロジー導入への期待

  • ・テクノロジーが進んでも人にしかできないこととは?

  • ・大切なのは介護のことを知り、家族でお互いに気持ちを伝える時間をつくること

まだまだ認知されていない
介護現場へのテクノロジー導入

まずは「Q.6 現在、介護現場でデータやテクノロジーが活用されていることを知っていますか」という質問の回答結果を見ていきましょう。

「知っている」と答えたのはわずか6.5%。「知らない」が大多数を占めました。実際、「介護とテクノロジー」という言葉を聞かされても、具体的にイメージできない方が多いのではないでしょうか。性別・年代別に見ても割合に大きな差はなく、まだまだ「介護は人の手で行われるもの」というイメージが強いようです。

テクノロジーによる介護の進歩
最も期待が寄せられたのは「排泄」

Q.6を通じて介護現場でのテクノロジー導入に対する認知が低い実状がわかりましたが、今度は対象者に介護とテクノロジーに関する動画や画像をお見せして視線合わせをした上で「Q.7 介護において最も進歩(データ・テクノロジーの活用等)してほしい項目は何ですか」という質問を投げかけました。

結果、およそ半数が「排泄」と回答。なぜ「排泄」がここまで多数を占めたのか。自由記述によるコメントからその要因を探っていきます。

多くが「センシティブな問題であること」「介護する側もされる側も負担が大きいこと」「人にさせるのが恥ずかしいこと」を理由に挙げていました。「排泄」に関わる介護は、介護する側もされる側も、肉体的な負担もさることながら、精神的な負担も大きく、人間の尊厳に関わる部分。テクノロジーでカバーできる未来を望む声が多かった理由はそこにあるようです。

 

またこの質問では、「最も進歩してほしい項目」だけでなく、「進歩してほしい項目」全てに対しても複数選択形式で回答を集めています。その結果、「排泄」だけでなく、「入浴」「食事」「歩行」「着替え」など、幅広いテクノロジーの進歩・普及に期待があることもわかりました。

これは「テクノロジーで解決できるなら」という前提があって投げかけられた質問ではありますが、同時に、多くの人が感じている「介護そのものに対する課題感」「解決してほしい問題」でもある。と言えそうです。

テクノロジーは介護に必要か?
8割近くが肯定的な反応を示す

Q.7で介護におけるテクノロジーへの期待感が見えてきましたが、さらに本音に近い気持ちを探るべく「Q.8 データ・テクノロジーを積極的に活用した介護サービスを両親(義父母を含む)に受けてもらいたい、または自身で受けたいと思いますか」という質問をしています。

結果は「自分自身」「自分の両親」ともに「そう思う」「どちらかというとそう思う」というポジティブな意見が8割近くを占めました。さらに注目したいのは、この結果を性年代別で見たとき、特に60代女性による肯定的な反応が強かったこと。

年齢的に、介護に対する意識の高さがうかがえますが、それ以上に、女性として、排泄などのセンシティブな問題をテクノロジーが解決してくれることに期待を寄せていることがうかがえました。

介護の未来はどうなる?
テクノロジー導入への期待

続いては、介護とテクノロジーの未来について少し踏み込んでイメージしてもらうために「Q.9 介護において、今後のデータ・テクノロジーの活用に期待することや、それによるメリットを教えてください」という質問を投げかけました。こちらは自由記述のため、1000人分のコメントから一部、抜粋してご紹介していきたいと思います。

多かったのは介護する側の人手不足や負担解消への期待。また、介護される側、介護する側双方の精神面への配慮や、機械だからこその正確性・安全性に期待する意見も多く見られました。さらにはデータ活用による体調管理やパーソナライズ、コスト面への期待など、多岐にわたるコメントが集まりました。

テクノロジーが進んでも
人にしかできないこととは?

「“未来の介護”に関する調査」を締めくくる最後の質問は「Q.10 介護において人にしかできないと思うことは何ですか」。ここまで「介護とテクノロジー」に対するイメージや期待感を探ってきましたが、それでも「人にしかできない」「人に担ってほしい」と感じることとは何なのでしょうか。こちらも自由記述による回答のため、コメントを抜粋してご紹介していきます。

コメントの多くは「コミュニケーション」や「人の温もり」といった精神面のケアを人に求めていることがわかりました。一方で、少数ではあるものの、「やがて人の手が必要なくなるのでは?」といった意見もありました。

大切なのは介護のことを知り、
家族でお互いに気持ちを伝える時間をつくること

「“未来の介護”に関する調査」を通じて見えてきたのは、世代問わず多くの人が「介護とどう向き合えばいいかわからない」という状況にあること。そして、その中にある不安や課題でした。また、「介護とテクノロジーにどんな期待があるのか?」という質問からは「人の手だけでは解決が難しい」と感じられているさまざま問題点が浮き彫りになったと言えそうです。

 

「実感が持てないから」「まだ元気だから」と、ついつい先送りにされがちな介護の話題。しかし、これからの暮らし方、働き方を考える上でも、決して無視できるものではありません。大切なのは介護する側も、される側も、必要な情報をしっかり集めて介護のことを知り、お互いの気持ちや希望を家族や身近な人たちに伝える時間を持つことではないでしょうか。

 

「未来の介護MAGAZINE」では引き続き、介護の「今」と「これから」を多角的にお伝えしていきますので、どうぞご期待ください。

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